現代奴隷法に係る声明
はじめに
Avetta, LLCおよびその関連会社、子会社(「Avetta」、「グループ」、または「当社」)は、奴隷労働を防止するために、当社の慣行を常に改善する取り組みを実施しています。この声明では、2023年12月31日までの会計年度において、当社組織とサプライチェーン内で現代の奴隷制を防止するために当社が実施してきた活動を紹介します。
当社は、世界の主要地域に事業所を持つグローバル企業として、現代の奴隷制と人身売買の問題が世界的な問題であり、Avetta、当社の労働者、およびクライアントにも同様に影響を及ぼす可能性があることを認識しています。Avettaの幹部および利害関係者は、当社が最高レベルの倫理的商慣行と透明性を維持することを求めています。当社は、社内の利害関係者と協力し、(i) 自社の業務において現代の奴隷制が存在しないことを保証し、(ii) 当社のサプライチェーンリスク緩和プログラムに参加するクライアントを、その地理的位置に関係なく支援することに尽力します。当社の上級経営チームおよびすべての利害関係者は、本ポリシー声明の内容を策定し、実施する責任を負います。また上級経営チームおよびすべての利害関係者は、当社のサプライチェーンにおける奴隷労働と人身売買の防止を徹底するために、適切なリソースが確実に割り当てられるよう努めます。本声明は、Avettaがグループとして、日常業務において現代の奴隷制のリスクが存在し得る場所を理解し、奴隷労働や人身売買を防止するために講じた措置を確認するものです。
本声明は、英国の2015年現代奴隷法およびオーストラリアの2018年現代奴隷法(Cth)の要件に従って作成されています。
報告主体
この声明の報告主体は以下の通りです。
Avetta, LLC
3300 North Triumph Blvd.Suite 800
Lehi, UT 84043
現在、グループの他の事業体は報告要件を満たしていません。
組織の構造
Avetta, LLCはグループの親会社です。当グループは700人以上の従業員を擁しており、世界の主要地域に戦略的に配置された事務所を拠点として、事業を運営しています。
グループのその他の事業体には、以下が含まれます。
当社の事業とサプライチェーン
Avettaはグローバルに事業を展開する企業として、先進国か新興国かを問わず、世界のあらゆる地域で事業を営む企業を支援しています。そして、世界120か国以上でサプライチェーンの評価と分析を行うサプライチェーンリスクサービスを提供しています。当社は、さまざまな分野のサプライチェーンリスクを管理する、SaaSベースの構成可能なソリューションを通して、大小両方の組織を支援しています。その中で、当社のサプライチェーンリスク管理ネットワーク(「ネットワーク」)は、電気通信、建設資材、製造、鉱業、施設管理、ハイテク、エネルギーなどのあらゆる業界の組織と、サプライヤーや請負業者が有する審査済みの適格な労働力をつなぐ役割を果たしています。当社はクライアント組織と提携し、付加価値の高い調達、持続可能性、安全衛生に関するリスクに基づき、サプライヤーのデータを提供しています。またこれらのアウトプットデータについて、倫理的な商慣行に焦点を当てた分析も行なっています。
当社の事業の内容については、ここを参照してください。
当社は1つの会社として、比較的シンプルなサプライチェーンを構築しています。当社のサプライチェーンは、事務用品やスタッフの雇用およびトレーニング、外部からの法律上の助言、オフィススペースの賃貸、ITインフラとサポートサービス、出張などの日々の業務に必要な製品やサービスを購入するためのものです。一方で当社のベンダーはそれぞれ、独自のサプライチェーンを有しており、サプライチェーンの要素には、比較的複雑なものも含まれています。
奴隷労働とその取り組みに関する当社のポリシー
当社は、当社のサプライチェーンと事業のいかなる部分においても、現代の奴隷労働や人身売買が行われないことを徹底するために、このような取り組みの基盤となる適切なポリシーを策定しました。そして当社は、すべてのポリシーを継続的に見直し、更新しています。
当社では、すべての取引関係において倫理的かつ誠実に行動し、当社のサプライチェーンのいかなる場所においても奴隷労働および人身売買が行われていないことを確実にするための効果的な制度と管理方法を導入し、実施しています。そして当社の奴隷労働および人身売買の防止に関するポリシーは、このような取り組みを反映するものとなっています。
当社の企業倫理・行動規範は、幅広い商慣行と手順をカバーしています。これらは、職務上の行動に関する指針を規定するものであり、当社の従業員、役員、および取締役が職務を遂行するにあたり、常に誠実に行動し、可能な限り倫理的な方法で自身の活動や会社の業務を行わなければならない旨を定めています。
当社の「ベンダーおよびサービスプロバイダー向け行動規範」は、Avettaにサービスを提供するベンダーおよびその他の第三者リソースに対してAvettaが期待する事柄について概説しています。
また当社では、倫理的かつ責任ある調達に向けた取り組みを強化するために、調達に関するポリシーを更新しました。この更新では、従業員の責任を明確化し、「現代奴隷制の世界推計:強制労働と強制結婚」(国際労働機関、Walk Free、国際移住機関が共同で作成した報告書)からのインサイトを取り入れた、ベンダーのデューデリジェンスに関するリスクベースのアプローチについて概説しています。
当社は2019年に国連グローバル・コンパクトに署名し、10個のビジネス原則を当社の企業文化および製品提供に取り入れることで、当社のすべてのグローバル業務だけでなく、当社のクライアントが利用する第三者のグローバル業務においても、倫理的かつ公正な労働環境を提供できるよう取り組みをさらに強化してきました。
当社は、英国の建設サプライチェーンにおける現代の奴隷労働を積極的に防止するために作成されたUnited Kingdom Gangmaster Labour Abuse Authority Construction Protocolのメンバーです。また当社は、この政府機関の積極的な支援者であり、この忌むべき慣習に対抗するために、できる限りこの素晴らしい取り組みを推進しています。
当社では、国連のグローバル原則に沿って社内の倫理的かつ持続可能なアプローチを定義しており、グローバルな業務全体を通してこのアプローチを採用しています。
奴隷制に関するデューデリジェンスのプロセス
当社は社内で、以下を実施する制度を導入しています。
- サプライチェーンにおける潜在的なリスク領域の特定と評価
- サプライチェーンにて奴隷労働が発生するリスクの軽減
- サプライチェーンにおける潜在的なリスク領域の監視
- 内部告発者の保護
当社では、現代の奴隷労働のリスク管理を重視しており、地理的な位置、産業セクター、ベンダープロファイルなどの要因を考慮した上で、現代の奴隷労働が発生する可能性の高い領域に焦点を当て、徹底的なデューデリジェンスとリスク軽減プログラムを実施しています。
また当社は、サプライチェーンのリスク管理ソリューションを提供するプロバイダーとして、クライアントがサプライチェーンを自ら管理できるように支援しています。一方で当社のクライアントは、当社のサービスを活用してサプライチェーンの状況を把握し、評価しています。このようなサービスの一環として、当社では、サプライチェーンのあらゆる階層のデータ、およびサプライヤーの組織としての能力と可能性をリアルタイムで収集し、分析しています。そして、サプライヤーが事業を運営する国の適切な商慣行にどの程度準拠しているのかを評価しています。これには、広範なサプライチェーンにおける奴隷労働や人身売買を防止するためのプログラムの実施も含まれます。当社は、小規模な専門企業から数万人の従業員を抱える大規模な多国籍企業に至るまで、約500社のクライアントにサービスを提供しています。そのような中で、当社は、企業として社会還元を行い、事業を展開しているセクターに好ましい影響を生み出す責任があると認識しています。そこで、サプライヤーの評価を通してクライアントを支援するために、当社は資格を有する監査人のサービスを利用して監査を実施しています。クライアントの組織に高いリスクをもたらす可能性のあるサプライヤーは、労働者の安全や環境への影響の低減、倫理的な調達、事業において強制労働や奴隷労働が行われていないことの保証などに関する管理プログラムの詳細な分析の対象となります。これには、下請業者に依存する可能性があり、問題が特定されることが見込まれるサプライヤーの能力の詳細な分析も含まれます。
Avettaが、当社のサービスを利用するクライアントとの協力関係を構築するのは、同じ価値観を共有し、常に倫理的かつ透明性の高い方法で事業を行うことの重要性を理解しているからです。サプライヤーの評価に携わるAvettaのすべての従業員は、現代の奴隷制や人身売買を構成する兆候と潜在的な特徴を認識するためのトレーニングを受けています。
また当社は、奴隷労働や人身売買のみならず、児童労働、職場の安全、サプライチェーン内の腐敗の防止といった深刻な問題を含めたさまざまな労働慣行を分析する、3段階のサステナビリティ監査プログラムを策定しました。さらには、人権、事業の透明性、気候変動などを中心としたデューデリジェンスに関する課題に取り組むために、環境・社会・ガバナンス(ESG)の原則をカバーするグローバルクライアント向けのプログラムの開発と統合を行いました。このプログラムは幅広いクライアントに適用でき、サプライヤーの人口動態とサプライチェーン内における立ち位置を考慮します。
第三者による当社の価値と倫理の遵守
当社の「ベンダーおよびサービスプロバイダー向け行動規範」では、当社が契約関係を締結するあらゆる組織や個人(新規および既存のベンダー)に対して当社が期待する事柄について言及しており、人権、適切な労働慣行、安全衛生、および環境への影響の低減のための取り組みを明確に示すことができるベンダーとのみ取引することを確認しています。
当社と提携する第三者監査人もまた、当社に代わって業務を開始する前に、当社の商慣行に関するトレーニングを受けています。
さらに、当社のネットワークのサプライヤー(当社の顧客)には、反奴隷制および人身売買に関連するすべての法律、法令、規制、および規範を遵守することが契約上、義務付けられています。
採用慣行
当社では、社内の上層部から承認を受けた、さまざまな会社方針や採用慣行を導入しています。これにより、個人がAvettaで働き始めた時点から、Avettaの事業を十分に理解し、機会均等、多様性、機会の自由、および職場環境における差別の排除を尊重することが保証されます。当社は、英国政府の要件を含む政府の規制に沿った就労資格の確認など、堅実な採用慣行を実施しています。これは、人身売買や個人の意思に反した強制労働を防ぐために、すべての従業員に適用されます。また当社が外部の人材派遣会社のサービスを利用する場合についても、かかる人材派遣会社は、事業を運営する国で施行されている法律と当社の行動規範を遵守していることを確認する必要があります。
Avettaが、当社に入社する従業員に手数料を請求することはありません。また、いかなる外部機関にも同様の事柄を期待することはありません。当社は、奴隷労働と人身売買が個人の自由に大きな影響を与えることを認識しており、これを逸脱するものは当社の基本的価値に反するものとみなします。Avettaで働くすべての個人は、自らの自由意志により、当社で働くことを選択しています。
トレーニングとコミュニケーション
当社は、すべての商取引を倫理的かつ透明性の高い方法で行うことに尽力します。世界の一部の地域においては、非倫理的な商慣行が生じたり、これが容認可能なものであるとみなしたりする文化的な違いがあることを当社は認識しています。当社が、事業理念から逸脱することはありません。そしてこれを繰り返し確認するために、当社のグローバルな従業員全員に対して、当社のすべての事業方針の内容と、あらゆる取引関係において取るべき行動を指導するトレーニングややガイダンスを実施しています。
当社は、現代の奴隷制や人身売買などの問題への対処方法を強化する社内手続きを導入しています。また、当社の業務遂行に関する懸念がある場合には、幹部チームのどのメンバーにもオープンに報告できることをすべての従業員に周知しています。そして、現代の奴隷制や人身売買の影響を受ける可能性のある製品やサービスを進んで調達しないためにも、当社のために製品やサービスを調達できる立場にあるすべての従業員には、当社の「ベンダーおよびサービスプロバイダー向け行動規範」を十分に理解することが求められます。
当社の年次トレーニングプログラムでは、業務ごとの幅広いトレーニング資料を確認することがすべてのスタッフに義務付けられており、スタッフはこれらの資料の理解度に基づいて評価されます。そして最終的には、トレーニングプログラムへの参加を確認し、その内容に従うことに同意することが求められます。また、現代の奴隷制や人身売買の問題に接する可能性がある当社のグローバル従業員には、現代の奴隷制や人身売買に特有の問題を識別する方法についての対話型トレーニングも実施されます。
労働に対する報酬
Avettaに雇用されるすべての従業員には、生活賃金を超える賃金が支払われます。当社が外部監査人などの第三者のサービスを利用する場合についても、生活賃金を超える報酬が支払われます。
奴隷制を防止するための当社の取り組みの有効性
当社は、現代の奴隷制に関するリスクの性質と程度、およびこのリスクを管理するための当社の取り組みの有効性の両方について、継続的な評価を行っています。また当社は、リスクが高い可能性のあるサプライチェーンの地域の継続的な見直しを実施しています。
当社は、以下の主要業績評価指標(KPI)を使用して、当社の事業やサプライチェーンのいかなる部分においても奴隷労働や人身売買が行われていないことを確実にするために、当社の取り組みの有効性を測定します。
- サプライヤーおよび下請業者のスクリーニングにて特定された問題の数と種類
- 過去1年間に報告された違反の数
- トレーニングを受けたスタッフの数または割合
- 是正措置が必要となる状況
当社は、高水準なデューデリジェンスとリスク軽減プロセスを維持することで組織に対するリスクを管理しており、当社が業務を遂行するすべての環境において、このような問題が発生する可能性の高い地域を特に優先して現代の奴隷労働を監視し、回避しています。
意思の確認
Avettaの上級経営チームは、当社のグローバルビジネスやサプライチェーンにおいて、現代の奴隷労働と人身売買の防止を徹底することに尽力しています。当社は、サプライチェーン評価サービスをクライアントのサプライチェーンにも適用することで、この取り組みをクライアントにまで拡大しています。また当社は、現代奴隷法に係る声明を採択し、社内とクライアントの両方のデューデリジェンスとガバナンスを強化するためのサービス改善に向けた取り組みを継続的に行うことで、これを実証していきます。当社は持続可能性の信頼性の向上に尽力しており、事業全体を通じてグローバル戦略を推進し、これを日々の事業活動に定着させるために主要な人員を任命しています。
協議プロセス
当社は、グループ内の事業体と協議の上、本声明を策定しました。そして本声明は、各事業体の確認を受けたものです。
本声明は、2024年5月28日に親会社であるAvetta, LLCの主要管理機関によって承認され、最高経営責任者であるArshad Matinによって承認されました。
Arshad Matin
最高経営責任者(CEO)